心理検査のご案内

ことのはカウンセリング&サポートでは、様々な心理検査(心理テスト)を実施しています。

私たちが実施する検査には、知能検査(WAIS-Ⅳ)、発達障がいの傾向検査(ASD(自閉症スペクトラム指数検査)やADHD(注意欠如・多動症評価))、性格テスト、うつ症状に関する検査、認知症の検査などがあります。ご相談者の状態やご希望に応じて、それらの検査を組み合わせながら実施いたします。

検査実施後は、結果を分析し、有効な環境整備の方法や生活の工夫などを詳しい報告書を作成し、ご説明いたします。

カウンセリングでは、検査結果を踏まえて、あなたに合った生活上の工夫を試してもらい、試した後にどうだったのか、更なる工夫はないかを一緒に検討していくこともできます。

心理検査を受けると発達障がいと診断されるのか?と不安になったり、逆に期待をしてしまうといけませんので、先にお伝えすると、わたしたちは、医療機関ではありませんので、発達障がいの診断はできません。検査をしたら診断されるのではないか、と不安に感じている方はご安心ください。

診断をご希望の方は、医療機関に受診する必要があります。診断は、医師が心理検査の結果やその他を総合的に判断しておこないます。医療機関に受診する際に、こちらで発行した検査報告書を持参いただくことも、医療機関宛ての報告書を発行することもできます。

心理検査を受けることは、受けて終わりではなく、ここからがスタートです。せっかく受けた検査を、「私はIQが〇〇だった」と数値だけを知るのではなく、これをどう生かして自分の人生を展開するのかが大切になります。

まずは心理検査を受けてみようかな、でも不安だな、という思いを抱えている方、安心してお越しください。

私たちが扱う主な検査

知能検査

WAIS-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)

発達特性に関する検査

AQ日本語版
 自閉症の傾向を測定する検査です。

CAARS 日本版
 18歳以上を対象とした、ADHDの症状重症度を測定する検査です。

うつ状態に関する検査

BDI-Ⅱ
 抑うつ症状の重症度を測定する検査です。

認知症に関する検査

MMSE-J
 認知障害のスクリーニング検査です。認知障害の重症度の測定や経過をみることができる検査です。

HDS-R 長谷川式認知症スケール
 簡易知能評価スケールです。認知症機能の障害の有無を検査します。
 (利き手に麻痺がある場合には、MMSE-Jではなく、HDS-Rを実施します)

知能検査(WAIS-Ⅳ)について

WAIS-Ⅳ検査とは何ですか?

WAIS-IV(Wechsler Adult Intelligence Scale -Fourth Edition)とは、心理学者ウェクスラーが開発をした、ウェクスラー成人知能検査の第4版(日本版)です。知能検査として約80年の歴史があります。

この検査は、知的能力を評価するツールとして、幼児用、児童用、成人用があり、ことのはカウンセリング&サポートでは、16歳0カ月から90歳11か月までを対象とした、成人用を受けていただけます。

もちろん、医療機関等で実施しているWAIS-Ⅳと同じ検査で、専門機関で多く使われている知能検査の1つです。

WAIS-Ⅳの検査では、全般的な知能を表す全検査IQと、特定の認知領域の知的機能を表す4つの指標である「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の各合成得点を算出します。

この4つの指標については以下です。
・言語理解(言葉を耳で聞いて理解する力、説明する力、長期記憶など)
・知覚推理(絵や記号を見て分析、統合、推理する力。目で見てすばやく理解し判断する力)
・ワーキングメモリー(聞く、一時的に記憶して頭の中で操作する力、注意力、集中力)
・処理速度(目と体の動き、集中力、スピード力)

これらを分析し、自分が同年齢の集団内でどの位置にいるのか(他の人と比較して特徴を見る、個人間差)、また、あなたの検査結果をそれぞれの検査間で比べたり、バランスを見たりしてばらつきがないか、そのばらつきがどのような影響を生活に与えているかを分析します。これにより、得意なこと、苦手なことをみていくのです。

信頼性と妥当性の高い検査ですが、検査の結果は、検査時の体調やコンディション、環境なども影響を受けるため、多少の誤差はあります。そのため、結果の数値には信頼区間も示します。(信頼区間は90%のため、90%の確立で〇~〇の間に入る)

なお、ここで出たIQは、受検者の能力を全て示しているわけではありません。知能を構成するすべてを網羅はしておらず、知能を構成する別の要因もあります。ここで出る検査結果は、自分を理解するための一つの目安となるとお考え下さい。

また、重要なことは、IQが高い、低いでは人生の豊かさは図れません。繰り返しお伝えしますが、この検査を受けて分かったことを家庭や職場、生活に役立てていただけることが大切です。

WAIS-Ⅳ知能検査で分かることは何ですか?何に使えますか?

〔この検査でわかること〕
・知的指数IQが分かります。
・自分の特性を知ることができます。

基本検査10を受けることで、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの指標の各合成得点がわかります。同年代と比べて、得意なこと、苦手なことは何か。自分自身の中で得意なこと、苦手なことは何か、バランスはどうか、を見ることができます。

〔この検査の結果の活かし方〕
・自分の特性を知り、生活上の困りごとを少しでも改善するためには何をしたら良いのかの工夫を考えることができます。
・自分の特性を知り、家庭や職場など人間関係の関わり方を考えることができます。

そもそも、IQとは何ですか?

「Intelligence Quotient」の略称で、知能水準あるいは発達の程度を測定した検査数値のことです。
『生活年齢(何歳相当の発達か)÷ 暦年齢 × 100』で計算します。
たとえば、生活年齢が40歳だった人が、暦年齢が40歳だと、IQ100というわけです。

全検査IQと各指標の得点は、標準得点で示します。標準得点は、学校の試験など100点満点でおこなうテストとは得点の表し方が異なり、同じ年齢集団の平均が100となるように値が調整されており、平均より高い場合は、100より高い数字、低い場合は100より低い数字となります。平均域は、おおむね90-100となります。

境界知能と言われるのは、おおむねIQ70-85の層にある人とされますが、「境界知能」「グレーゾーン」などは診断名ではありません。知的障がいが認められると言われるのは、通常はIQ70未満ですが、IQだけではなく、生活上の支障の有無やその他を総合的に判断されるというのが世界的な考え方です。

また、MENSA入会に関しては、130以上と言われていますが(入会にはMENSA機関が判定するため、必ず入会できるわけではありません。概ねの数字と捉えて下さい)、130以上の人は、全体の2.5%となります。

なお、ここで出たIQは、受検者の能力を全て示しているわけではありません。知能を構成するすべてを網羅はしておらず、知能を構成する別の要因もあります。ここで出る検査結果は、自分を理解するための一つの目安となるとお考え下さい。

WAIS-Ⅳ知能検査は、筆記試験ですか?

検査は「試験みたいなものですか?筆記試験ですか?」と聞かれることが多くありますが、検査を受ける方と検査者(資格を持った心理士)が1対1で行われる、主に口頭で受けていただく検査です。英語のスペルを書いてもらったり、文章を書いてもらったりするテストはありません。
また、当日の持ち物はございません。必要な物はこちらでご用意します。

前にWAIS-Ⅲを受けたことがあります。今度は最新版を受けたいのですが受けられますか?

WAISは改訂し続けています。現在はWAIS-Ⅳが最新版になりますが、WAIS-Ⅲとは整合性があります。WAIS-Ⅲでは、前回のWAIS-Ⅲを受けてから、約2年間は受検をお控えください。それは、検査を繰り返し受けることによって、「学習効果」が生まれ、正しい検査結果が出ないと考えられているからです。

また、WAIS-Ⅲを受けた時から、大きく悩み事、困りごとなどが変化していたり、改めて検査を受ける必要があると考えるに至った理由があったりした場合は、前回から2年以上経過後にお受けください。

なお、ことのはカウンセリング&サポートでのカウンセリングをご希望する場合、他の機関で受けた報告書をご持参いただくと、それをカウンセリング時の参考にさせていただくことが可能です。

当機関で受けなければ、カウンセリングの参考にできないわけではありませんので、ぜひお持ちください。ただし、報告書によっては、IQの数値のみの場合があります。参考にできる範囲が限られてしまう場合もあるため、その点はご了承ください。

MENSA会員になりたいです。証明書の発行は可能ですか?

私たちは、WAIS-Ⅳの有資格者ですので、証明書の発行が可能です。

WAIS-Ⅳ知能検査の申し込み時に、オプションでMENSA証明書発行をお選びください。
検査報告書と共にお渡しいたします。
なお、当機関では、証明書を発行することはできますが、MENSA会員になれるかはMENSA機関の判断となりますので、会員になれるかを保障するものではありません。ご了承ください。入会条件などは、MENSAのホームページなどをご確認ください。

WAIS-Ⅳは健康保険証が使えますか?生活保護の場合、医療券で利用できますか?

申し訳ございません。ことのはカウンセリング&サポートは医療機関ではありませんので、健康保険証や医療券の使用はできません。

医療機関でWAIS-Ⅳの検査を受ける場合は、医師が診察をした後、医師が診察上必要と認めた場合に保険が適用される場合もあります。その際は、自己負担分のみの支払いで受けることができる可能性はあります。各機関によって様々で、報告書・所見代などは別途必要になる場合もあり、各機関にお問い合わせの上、ことのはカウンセリング&サポートも検討の一つとしてお入れいただけると幸いです。

発達特性に関する検査について

発達特性に関する検査とはどのようなものですか?

発達障がいは、自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)に大別されます。過去には、発達障がいの原因を「家族のせい」「親が原因」など誤った情報が流れた時代がありましたが、この説は誤りであることが明らかになっています。現代では、発達障がいは脳の機能の障害であると考えられています。

ことのはカウンセリング&サポートでは、ASDで見られる傾向、ADHDで見られる傾向を見る検査が受けられます。ASDの傾向のみ、ADHDの傾向のみがある方もいれば、両方に傾向がある場合もあります。ご自身の傾向を知ることで、「なんだか腑に落ちた」とおっしゃられる方も多くいます。

わたしたちは、医療機関ではありませんので発達障がいの診断はできません。診断されることが怖い、不安な方でも、安心して受けていただけます。

なお、お話の中で医療機関を受診した方が良いと感じた場合には助言はさせていただきます。医療機関では、診断や薬物治療(効果や必要性は人によって異なり、処方は医師の判断となります)ができます。診断を受けることでのメリットがある場合もありますので、カウンセラーにご相談ください。

WAIS-Ⅳを受けます。発達検査も一緒に受けた方がよいですか?

知能検査と発達検査を合わせて受けていただくことで、より詳細な解釈ができます。一緒に受けていただいた場合、フィードバックでは両方の結果を踏まえた、生活への工夫や今後の助言が可能です。ご自身の傾向と対策を詳しく知りたい方には、両方の検査を受けることをお勧めしています。

認知症の検査について

認知症とは、様々な脳の病気によって、脳の神経細胞の働きが低下し、認知機能が低下することで社会生活に支障をきたした状態のことをいいます。

日本は、高齢社会であり、2025年には高齢者の5人に1人は認知症になることが予測されています。誰もが認知症になる可能性があることは、新聞、テレビ、インターネットのニュースでも言われているため、「認知症になるのが怖い」「認知症にはなりたくない」と不安に思う高齢者や、「親が認知症になったらどうしよう」「親に認知症が見られたらどうしたらよいのだろう」と不安を抱く家族は多くいます。

認知症にはアルツハイマー型、認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など種類が多くあります。その中でも、物忘れが見られて、脳の検査をしてみたら、「脳腫瘍だった」、「正常圧水頭症だった」と早期に発見することで手術や薬物療法で改善できる可能性がある病気だったという場合もあるため、記憶障害以外の症状(うまく歩けない、尿失禁があるなど)がみられる場合はできるだけ早く医療機関の受診をお勧めします。

 認知症の症状として、脳の働きの低下による、ひどいもの忘れ(記憶障害;たとえば、夕飯を食べた献立を忘れてしまうのではなく、夕飯を食べたことを忘れるなど)、日付や時間や場所が分からなくなる(見当識障害)、段取りができず今までできたことができない(実行機能障害;たとえば、料理を見ると野菜の切り方が変わった、味が変わったなど)、判断力の低下といった症状も出てきます。

このような症状が出始めたとき、しっかりしているはずの親の変化に家族は不安になり、本人はもっと不安になります。外出を控えるようになったり、病院に行くように説得されても頑なに拒否をしたり、家事全般を同居家族に任せて何もしなかったりと徐々に生活を制限してしまうことも起きやすい時期でもあります。

このような時、地域包括支援センターや行政に相談に行きましょう。しかし、もし本人が望まなかったり、解決が見つけられなかったりした時には、カウンセリングを受けてみるのも一つの方法です。カウンセリングは、ご本人、ご家族ともに受けることができます。ご本人は、もの忘れがあり、カウンセリングを受けたことを忘れてしまうこともあるでしょう。しかし、温かく受け入れてもらえた経験、安心できる環境づくりをしていくことは、大変重要です。

安心できる場所だと感じた時に、見慣れた人(心理士)が認知症の検査をおこなうことで、どのような点に気を付けて家族(や介護者)が声をかけたり、関わっていったりすると良いかの助言が可能となります。まだ残された機能を大切にして、家族の形を自然で変えていきながら、大切な時間を過ごせるようにしていきましょう。

検査を受けることで、認知症の種類は分かりますか?

認知症の種類を診断するためには、脳の検査(CTやMRI)等を医療機関で受ける必要があります。
また、診断は、医療機関でのみできますので、ことのはカウンセリング&サポートではできません。

検査の結果で、認知症があるかどうかが分かるのですか?

認知症の可能性をみます。また、検査では、認知症の可能性についてだけではなく、ご自身でどのようなことに気をつけたらよいのか、どのような関わり方が良いのかなど詳しく報告書を作成してお伝えします。

認知症ではないと思うのですが、念のため検査を受けてみることはできますか?

可能です。試しに受けてみようかな、という気持ちが生まれたときに受けに来てください。

本人には検査のことを内緒にして、家族が本人を連れて行っても構いませんか?

ご本人が納得の上で検査を受けていただく必要があります。もっとも、ご家族で一緒にお越しになった場合、当日、ご本人とカウンセラーがお話をして、検査ができる状況であれば実施することはできます。
予約の際に、「本人の状況によって認知症検査希望」と伝えていただけると、当日の状況を見てカウンセラーが判断します。
ご本人のお気持ちを優先することが、カウンセラーとの信頼関係、家族との今後の関係に重要となります。

検査結果を家族も一緒に説明を受けたいのですが良いでしょうか。

ご本人がご希望された場合は、ご家族も一緒にお聞きいただけます。

健康保険や介護保険、生活保護の介護券を利用できますか?

申し訳ございません。ことのはカウンセリング&サポートは医療機関や介護事業所ではありませんので、健康保険や介護保険はご利用できません。